しゃべってくれたら。

アニサポには、いろいろな経緯で保護された子が集まります。

 

繁殖所から来た子…

この子たちは、家庭を知らず、名もなく、話しかけられることもなく生きてきた子です。名前もありません。人と一緒に暮らすことから教えます。ただ、何とか食べるものと水があったから生きてきた、という子たちです。

 

保健所、愛護センターから来た子…

この子たちは、飼育放棄、迷子(不慮の場合と故意の場合があります)の子が多いため、人と暮らした経験があるのですが・・・それが幸せな経験だったのか、不幸な経験(ネグレストなどの虐待)だったのか・・・

一時期だったかもしれませんが(例えば子犬子猫だった時期だけかわいがられた。とか)、愛されていたこと、名前を呼ばれていたことがある子もいるでしょう。

 

アニサポに来た時には、「名無し」の子、ということがほとんどですが、仮の名前をもらって、再出発します。

今までどうやって生きてきたのかなぁ…

どうしてほしいのかなぁ…

なんて呼ばれたいのかなぁ…

預かりさんは毎日そう考えながらお世話をします。

 

 

里親さんが決まって新しいお家に行ったときに、

新しい名前をもらう子もいます。

先日正式譲渡になったあるワンちゃんは、飼い主が亡くなり取り残された子でした。

里親さんは、名前を付けるときに、もしかしたら今まで何年も呼ばれていた名前がわかるかも…といくつもの名前で呼んでみたそうです。

そして、「元の飼主さんのお墓に行ってお参りしたいぐらい」可愛いと愛してくださっています。

 

 

もし、この子たちがしゃべってくれたら。

 

預かりさんも、里親さんも、そう思いながら、話しかけ、耳を傾け、しぐさをじっと見つめて、その子と向き合ってそれぞれの子がどのような思いでいるのか、様子を見ながら心を解釈しています。

 

テレビで見るような「動物と話せる人」はアニサポにはいませんが、

「やたらと動物に話しかける人」はとっても多いです(#^^#)