さっ処分ゼロの向こうに

ここ数日・・・・

猫の神様の何のたくらみか…

アニサポに、毎日毎日、子猫が集まってきております…

愛護センターさんから保護する時は、保護依頼があって、受け入れ態勢を整えて、予定を組んで、保護することができるのですが、「今保護してしまった!」っていう案件は、え、どんなサイズをいくつ?え、健康状態は?え、どこに置く?とそのたびに大慌てになります。それが、毎日大慌て…

 

保護される状況はいろいろですが、すべての子を元気にして里親さんにつなごう!っていうその一点で何人ものボラさんが動いています。

 

 

この時期の猫チームは、休まる時がないんですけど、この毎日が確実に結果に表れてくるので、どのボラさんも、必死です。

譲渡会では、「どの子もかわいい~」と褒めていただく子猫ちゃんたちは、こういう地道な日々のお世話に支えられているのです。

 

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さて、

ここでいきなり、数字が入ってくる話になるのですが、

まぁ、算数苦手な人間が書く話なんで、たいしたことではありません。

 

愛護センターさんに赤ちゃん猫が10匹保護され、ボランティアに引き出し依頼があったとします。

団体Aは「3匹ならできます」と連れ帰り、団体Bは「私たちが引き取らないと、処分されてしまうのかな・・・じゃあ頑張ろうかな」と7匹引き取ったとします。

 

 

団体Aは、丁寧にお世話をしてすべての子を安心サイズまで育て、3匹とも、素敵な里親さんに譲渡しました。つまり、生存率100%、譲渡率100%、譲渡数3

 

団体Bは、頑張ってお世話をしたけど、2匹は亡くなってしまい、残った5匹のうち、3匹を無事譲渡しましたが、ほかの2匹は縁がなく、もうすっかり何年も団体の居候猫になってしまい…この場合だと、えっと~計算機計算機~!生存率71%、譲渡率42%、譲渡数は3

 

この2団体の活動によって、10匹の赤ちゃん猫で処分された子はいません。

では、どっちの団体の活動が、評価される?

「さっ処分ゼロ」に貢献したのはどっち?

いや、もっと、簡単に、

 

皆さんなら、どっちの団体を応援します?

 

 

どっちの団体も頑張ったんです。

ボランティア一人一人は、必死にやったんです。

 

 

でも、現実は残酷で、数字は残酷で、命をなくしてしまった子が2匹います。

頑張ったけど死んでしまった子たちは、処分されて死んだわけではないけど、別のやり方、別の処置、別の対応、別の団体や、別のボランティアがお世話したら、助かったのかもしれません。

生死と同じように、譲渡率や数字では表せないけど譲渡の内容も、どうしたらもっといい出会いを見つけてあげられるか、常に、そのやり方を考えていかなくては・・・

 

さっ処分ゼロ、とっても大切なことです。

でもゼロの向こうには、いろいろなものが見え隠れしています。

ゼロだけを目指すと大きな落とし穴がすぐ後ろに隠れています。

 

そこにどっぷりはまってしまって、自己満足だけのボランティアが増えてしまうと、死に場所と、死ぬタイミングが変わるだけで、犬猫たちの幸せのための活動ではなくなってしまいます。

 

つまり、あえて厳しく言うなら

保健所で死ぬか、ボランティアのもとで死ぬか

数日で死ぬ(処分される)か、数日後~数年後ボランティアのもとで死ぬか

 

という違いでしかなくなってしまいます。

 

ボランティアは、「引き出す・保護する」ということは、譲渡までの責任をできる限り早急に確実に、実行するとその犬猫に対して約束するということだと思います。やっぱり、100%100%を約束してあげないと、その子を引き出した意味がない。

 

ゼロにするために、その子を引き出すんじゃないんです。

その子自身を幸せにすることがゼロに向かっての1なんです。

 

名古屋市愛護センターさんは、昨年度犬のさっ処分ゼロを達成されました。

 

三重県では、動物愛護推進センター「あすまいる」が5月28日に開所するそうです。

 

こういったタイミングで、

あえて、自分たちの活動を「頑張ってる」以外でも冷静に評価していけるボラでありたいと思っています。

 

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そんなわけで、

家事育児仕事の合間に、せっせとミルクをあげ、こまごま体重を測り…飲みたいお酒を我慢して夜中も授乳、急いで病院に走ったり…

まだまだ、数か月続きます。

アニサポ猫チーム、身の丈に合った高い目標(ん?ちょっと日本語的に?)を掲げて乗り切る覚悟です。

応援よろしくお願いします。